Lubrizol社製
次世代プレミアム触媒硫化剤「SulfrZol® 54」

DMDSの限界を超える。安全性、環境性能、プロセス効率を極めた新しい硫化ソリューション

水素化処理装置(ハイドロトレーター)や水素化分解装置(ハイドロクラッカー)のスタートアップにおいて、触媒の硫化プロセス(アクティベーション)は極めて重要な工程です。これまで業界標準として広く用いられてきたDMDS(ジメチルジスルフィド)は、強力な硫化剤である一方で、「強烈な悪臭」「低い引火点による火災リスク」「副生ガスによるプロセスへの悪影響」といった運用上の大きな課題を抱えていました。

Lubrizol社が提供するSulfrZol® 54(化学名:ジ-tert-ブチルポリサルファイド / TBPS)は、これらの課題を根本から解決するために開発されたプレミアム触媒硫化剤です。精製プラントの安全性向上、環境負荷の低減、そしてトータルコストの最適化を実現します。

SulfrZol® 54 がもたらす「4つの革心的メリット」(DMDSとの比較)

  1. 圧倒的な安全性と物流コストの削減(HSE・ロジスティクスの改善)
    • DMDSの引火点は16℃と非常に低く、プラント内での使用や保管において常に引火や爆発のリスクが伴います。そのため、窒素加圧された密閉容器での厳重な保管が必須です。
      一方、SulfrZol 54の引火点は100℃であり、潜在的な火災リスクを劇的に低減します。この高い引火点により、以下のような大きなメリットが生まれます。
      • 安全な注入作業
        • 危険性が極めて低いため、高価な防爆・加圧設備を用意することなく、ポータブルな低圧ポンプで直接注入することが可能です。
      • 指定数量の優位性
        • SulfrZol 54は、日本の消防法基準において第4類第3石油類に分類されます。DMDSは第4類第一石油類の為、比較すると圧倒的な指定数量の差があり、消防法対策に効果的です。
  2. リサイクル水素ガスの純度維持とSOx排出量の大幅削減(プロセス効率)
    • DMDSを硫化剤として使用した場合、分解時に大量のメタンガスが副生されます。このメタンはガス相に留まるため、水素リサイクルガスを希釈してしまい、結果として必要な水素分圧を維持するために大量のメイクアップ水素を追加するか、リサイクルガスをフレア(燃焼塔)へパージ(排出)しなければなりません。このパージガスにはH2Sが含まれるため、不必要なSOx(硫黄酸化物)エミッションを引き起こします。

      SulfrZol 54の副生成物はイソブタン(およびイソブテン)です。これらは高圧セパレーター内で液体炭化水素側に溶け込んで排出されるため、リサイクルガスの密度を低く保ち、水素を希釈しません。これにより、フレアへのパージが不要(または大幅減)となり、SOx排出量を削減すると同時に、高価な追加水素のコストを節約できます。
    • DMDSを硫化剤として使用した場合、分解時に大量のメタンガスが副生されます。このメタンはガス相に留まるため、水素リサイクルガスを希釈してしまい、結果として必要な水素分圧を維持するために大量のメイクアップ水素を追加するか、リサイクルガスをフレア(燃焼塔)へパージ(排出)しなければなりません。このパージガスにはH2Sが含まれるため、不必要なSOx(硫黄酸化物)エミッションを引き起こします。

      SulfrZol 54の副生成物はイソブタン(およびイソブテン)です。これらは高圧セパレーター内で液体炭化水素側に溶け込んで排出されるため、リサイクルガスの密度を低く保ち、水素を希釈しません。これにより、フレアへのパージが不要(または大幅減)となり、SOx排出量を削減すると同時に、高価な追加水素のコストを節約できます。
  3. 作業員と近隣住民を悩ませない「超低臭気」と「低蒸気圧」
    • DMDSには製造工程に由来する残留メルカプタンが含まれており、「腐ったキャベツ」に例えられる強烈な悪臭を放ちます。これは現場の作業員のモチベーションを低下させるだけでなく、近隣住民からの苦情という重大な環境トラブルの火種となります。
    • SulfrZol 54は、軽油(ディーゼル)に似たマイルドな微臭しかありません。屋外環境では事実上感知できないレベルであり、作業環境を劇的に改善します。また、蒸気圧も非常に低いため(DMDSの0.50 psiaに対し、SulfrZol 54は0.15 psia)、空気中への硫黄化合物の揮発が少なく、従業員の曝露リスクをさらに引き下げます。
  4. 低温からの効率的な硫化反応(分解温度の優位性)
    • 触媒と接触した際の分解温度において、DMDSが約200℃であるのに対し、SulfrZol 54は160℃という低温から分解・硫化反応を開始します。これにより、より早い段階から触媒のアクティベーションを進行させることができ、スタートアップ時の温度制御プロセスにおいて柔軟性と効率性をもたらします。

物理特性・化学特性の比較データ

特性DMDS
(従来品)
SulfrZol® 54もたらされる運用上のメリット
化学的ベースジメチルジスルフィドジ-tert-ブチルポリサルファイドより安全で安定した分子構造
引火点(密閉式)16℃100℃火災リスク減。特殊な加圧保管や防爆設備が不要
臭気強烈な悪臭
(腐敗臭)
微臭
(軽油に類似)
作業環境の改善、近隣からの環境苦情リスク解消
触媒接触時の分解温度200℃160℃より低い温度帯から効率的かつ安全に硫化を開始
主な分解副生物メタンイソブタン水素を希釈せず液側に排出されるため、パージが不要
リサイクルガスの純度低下する
(希釈される)
高く維持されるフレア燃焼によるSOx排出削減、追加水素コスト減
硫黄含有量 (wt%)68%54%-
動粘度 (cps @ 20℃)0.6214-
流動点/凝固点-85℃-48℃寒冷地でも十分に取り扱い可能な流動性を確保

想定される主要アプリケーション

SulfrZol® 54 は、環境規制や安全基準が厳格化する現代のプラントにおいて最適な選択肢です。

  • 石油精製プラント
    水素化脱硫装置(HDS)、水素化分解装置(ハイドロクラッカー)のスタートアップ
  • 次世代エネルギー
    再生可能ディーゼル(リニューアブルディーゼル)やSAF(持続可能な航空燃料)製造プラントの触媒硫化
  • 石油化学プラント
    各種触媒のプレサルファイディング(予備硫化)

スムーズな移行(スイッチング)をサポートします

DMDSからSulfrZol® 54への切り替えは、プラントの安全性を高め、トータルオペレーションコストを下げるための重要な投資です。

次回のシャットダウン・メンテナンス(SDM)や新規立ち上げに向けて、ぜひ弊社までご相談ください。